COLUMN
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03.マテリアルの設定

こんにちは、ISID Lumiscaphe担当です。前回はマテリアルの適用についてご説明しましたが、前回の記事で保存していただいたファイルを使用し、今回はマテリアルの各設定について紹介します。



P3Dは繊細な表現ができる反面、設定項目が非常に多いためこの場ですべてを解説することは出来ません。が、まずはこれさえわかれば基本的なマテリアルは作成できるという、基礎的な部分をご説明します。

樹脂(おさらい)
塗装(Solid car paint、Metallic car paint)
金属
特殊素材(Env、Ground、Mirror)

樹脂

樹脂はマテリアルの中では単純な部類に入りますが、表現を単調にしないためには様々なパラメータを使用する必要があります。

◆ディフューズ
ディフューズタブから選択します。マテリアルのベースとなる色で、「フィルター」右の■からカラーを変更するとマテリアルの色が変更されます。

◆透明
デフォルトの1がMaxの数値、0が完全に透明な状態となります。メッシュ状のマテリアルを作成したい場合は、透明度ではなくカラーマップの透明度を使用します。カラーマップの透明度については金属の項目で記述します。

◆反射
反射のタブから選択し、反射光の入り具合を調整します。反射強度を上げると光の入り方(次項目で選択したフィルター色の影響)が強くなります。

◆フィルター
光の反射にカラーフィルターをかけることが出来ます。基本はデフォルトの白のままで使いますが、反射光にニュアンスを付けたい時や素材の性質によって色を変更します。

◆フレネル効果
角度による見え方の違いを再現します。水を張ったプールを真上から見るとプールの底が見えますが、斜めに水面を見ると反射して底面が見えなくなるような効果を適用します。基本的にチェックは入ったままで使用します。

 
◆屈折率・吸光係数
物理的に測定された数値がデフォルトで入っており、右のスパナマークからプルダウンで選択できます。使いたいマテリアルがない場合は類似マテリアル2つの中間で数値を探って使用します。プラスチックは標準プラスチックの設定があるため、それを選択して使用します。

◆ラフネス
反射光のエッジのぼかしを変更します。black high gloss plasticのデフォルトは最小値の0に設定されています。数字を大きくしていくと光のボケが強くなり、マットな質感になります。反対に小さくしていくと光のエッジが強くなり、グロッシーな表現になります。

塗装

◆Solid carpaint
P3Dにおいて、塗装系マテリアルはレイヤー構造で表現されます。上に置いたマテリアルが上に重ねて表現され、Solid carpaintではデフォルトでディフューズとクリアコート(スペキュラレイヤー)が設定されています。

◆Metallic carpaint
Solid carpaint同様レイヤー構造で表されますが、Metallic carpaintはレイヤー数が多くなっています。デフォルトで入っている下のレイヤーから役割を説明すると、

◇Diffuse Base Layer
マテリアルのベースカラーを設定します。

◇Spec Flakes Layer 1
フレークと呼ばれるラメをスペキュラ―マップで乗せているレイヤーです。輝きの色はスペキュラカラーのフィルターにて変更することが出来ます。
ちなみにCommunityは商用不可の無料版ですが、有料&商用可能版のEnterpriseではゼロからフレークを作成できるようになっています。動画内でも説明していますが、フレークの形状やサイズ、密度、傾き…などが変更できます。他のソフトではフレーク「っぽい」表現しか出来ず、近寄ると不自然さが出てしまいますが、P3Dでは引き・寄りともにリアルな表現が可能です。気になる方はISIDまでご連絡ください!

◇Spec Clear Coat Layer
トップコートを乗せているレイヤーで、ツヤ感を変更するにはこのレイヤーのラフネスを変更します。

金属

例としてaluminiumを見ていきます。ここまでで既出のディフューズ・反射・屈折率吸光係数で主な設定は網羅しています。
ヘアライン加工アルミについてはbrushed_aluminum.kmtを参照します。ノーマルなアルミの設定に加え、以下に紹介するバンプマップの設定が入っています。

◆バンプマップ
グレースケールの画像から、疑似的に凹凸処理をするマップです。ヘアラインや梨地・レザーシボなどの表現に使用し、マテリアルにディテールを追加します。イメージとしては以下のようになっています。

ちなみに似たような機能としてレリーフがあり、チェックを入れることで有効に出来ます。これはシルエットにも影響を及ぼすリアルな表現をサポートしますが、注意マークがついている通り大変処理が重いため、シーム(縫い目)など限定的に使用することをお勧めします。(シームはUV展開説明の記事にてご紹介します!)

◆金属(パンチングメタル)
樹脂・透明度の項目で書きましたように、網目状の構造を表現するためにカラーマップの透明度を使用します。
aluminium_grid_holes.kmtをドラッグ&ドロップで立方体に適用します。このままでは裏面が表示されていないため、立方体の上で右クリック>裏面カリング>裏面表示 します。全体の裏面を一気に表示に変えるには、右下の菱形スパナマーク>裏面を表示 にチェックを入れます。

オブジェクトに寄っていくと、丸い穴が多く空いているのが分かります。
これはマテリアルエディタの透明>カラーマップに入っている画像がAlphaアリのPNG画像(黒い部分が透明に設定された画像)だからです。
Alpha設定のある画像をカラーマップに設定すると透明の「カラーマップの透明度を使用」にチェックを入れられるようになります。
またAlpha設定のない画像に対しては別途、透明の欄にAlpha設定アリの画像を設定することもできます。その場合、「カラーマップの透明度を使用」チェックを外すことで画像の透明を適用することができます。

特殊素材

◆Env
前回の記事でHDRIを背景光として設定しましたが、背景光を背景として見えるよう設定するマテリアルです。
作成済みのマテリアルを大きく覆うように球を作成し、球にエクスプローラ>マテリアルエクスプローラ>Misc>Envを設定します。

これで球が仮想の天球となりますので、球の中から見ると光源として使用していたHDRIが背景として適用されたのを見ることが出来ます。(HDRIについてはライティングの記事にてご紹介します!)


◆Ground Shadow

リアルタイムレンダラーは影をあらかじめレンダリングし、マテリアルに焼き付けておくことで影を表現します。
足元の影をレンダリングする際に影を得られる平面が欲しいので、 足元に大きめの平面を作成(①)し、Shaper画面のライティングコンポーネントからモードのプルダウンを「ライトマップ」にし、そのままの設定でレンダリングを開始します。(②)レンダリングを終了したらMatterに移動(③)し、平面にエクスプローラ>マテリアルエクスプローラ>Misc>ground_shadow.kmtを適用します。(④)
白かった平面が透明になります。このように、影だけを得たい時に使用するマテリアルがGround Shadowです。

今回ご紹介するのはここまでです。
次回はUV展開についてご紹介します。

最後までご覧いただきありがとうございました!