COLUMN
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04.UV展開について

こんにちは、ISID Lumiscaphe担当です。

P3DはUV展開が非常に優れており、複雑なUV展開や破綻したサーフェスでも簡単に補修してUV展開を行うことが出来ます。
今回はUV展開について、そもそもUV展開とは何か?という事からお話します。

たとえばチェック柄の布があったとして、布にしわが寄ったらしわに合わせてチェック柄も歪みますよね。

これを再現するために、3Dではサーフェス(形状データ)に対してテクスチャ(柄)を適用する際に、どのように適用するか?を設定します。

平面投影、ボックス投影、球…などの他、先ほど挙げた布の例のような三次元曲面に対して追随するテクスチャの張り込みを行うための処理をUV展開と言います。

◆実際の操作

ではこれまで作成したものではない、出来上がった本格的なデータで操作してみましょう。
起動>サンプル・ファイル>Bike をクリックして開いてください。
※サンプルファイルに上書き保存をしてしまわないよう、注意してください。先にデスクトップなど分かりやすいところに別名保存しておきましょう。

プロダクトをクリックしたらShaper画面に移り、Seat Assemblyレイヤーと、その中のSaddle 1以外を非表示にするとサドルだけが残ります。このサドル部分を使って、平面投影~UV展開を触っていきます。

◆下準備

Matter画面に移行し、表示されるテクスチャをUV状況の分かりやすいものに変更します。
Cloth>stripped fabric .kmtを適用します。ニットのマテリアルを選択しました。
このデータは既にUV展開がされているので、サドルはきれいにニットに覆われたような見え方をしているはずです。

◆平面

Shaper画面のマッピングコンポーネントを開きます。
マッピングコンポーネント内のサーフェス>マッピング>タイプ:エクストラクト の部分をプルダウンで平面に変更します。
床に平面が現れました。この平面からサドルに対してまっすぐテクスチャが投影されるので、Matter画面で見るとサドルの側面がおかしいことに気づくかと思います。

Shaper画面で床に現れた平面を回転させてみると、サドルへの投影も変化します。投影の仕組みとしてはこのようになっています。

設定が簡単で、床や地面・壁など形状に変化の少ないものに対して使用する投影パターンです。

◆ボックス

プルダウンからボックスを選択します。

なぜ線が途切れているのかというと、6方向からサドルに対して投影し近しい角度からの投影を反映するため、横からの投影と上からの投影の境目が生まれてしまうのです。
平面投影が6面分あり、面の角度によってそれが切り替わっていると思ってください。
投影の仕組みとしてはこのようになっています。
(箱の外側から内側へ向かう投影の向きは矢印とは関係なく今回概念をつかみやすくするために仮で書いたものであり、線で描かれたボックスの外側にサーフェスがあっても同様の結果となります。)

曲面の少ない箱型家具のような物、また家の壁面などに使用します。

◆球

球は360度全方向からテクスチャを張り付けます。投影の仕組みとしてはこのようになっています。

ボックス投影では面の向きで投影内容が決まりますが、球は中心の位置をどこに据えるかでも投影内容が変わります。
ボックス投影の段でも補足しましたが、矢印は概念をつかみやすくするために仮で書いたものであり、線で描かれた球の外側にサーフェスがあっても柄の投影は行われます。
ただし球のUVはマッピングの位置による模様の変化が大きく、正しく球のUVマッピングを使うためには球の中心と対象物の中心を合わせる必要があります。
球の中心と対象物の中心がずれている場合、映り方にズレが生じます。

◆円柱

投影の仕組みとしてはこのようになっています。

円柱も球と同じく、対象物の中心と球の中心をきちんと合わせる必要があります。この例では円柱の中心を軸として放射状にUVが貼られているため、それに合わせてサドルの上面には放射状の模様が出ています。
円柱系にはもう1種類あります。

◆キャップ付きの円柱

投影の仕組みとしてはこのようになっています。

上下に平面のUVがあるため、側面との切り替えラインが出ています。
側面部分は中心との位置関係でUVが貼られるため、球や円柱ほどではないですが、ある程度は中心を気にする必要があります。

上でいくつかUV展開の種類を紹介しましたが、当然これだけのバリエーションでUV展開を賄えるものではありません。冒頭で書いた「しわに沿う模様」のような展開をするためには、それぞれの形にあった展開をする必要があります。そのUV展開を作成するのが「UVエディタ」です。

◆UVエディタ

UV展開したいサーフェスを選択し、Shaper画面の右上の「選択したサーフェスのUV展開」からUVエディタを開きます。
UVエディタ右のメニュー欄>テクニック の欄から3種類のUV展開手法を選択することが出来ます。

・ワンクリック
・マルチコンストレイン
・境界に沿う

の3種が出てきますので、3種類を上から紹介していきます。

◆ワンクリック

最もよく使うテクニックです。真ん中の窓に表示されたサーフェスのどこかをクリックするだけでUV展開を済ませることが出来ます。レザーのシボや地面、スエード生地など揃いの方向があまり厳密でなくていい場合に最適です。

・向きの指定について:
向きの厳密な指定はできませんが、クリックした点から二次元的に縦横を取るようにUV展開されるため、ビューの位置を調整してクリックすることである程度の指定が可能です。厳密な指定がしたい場合は「境界に沿う」を使用してください。

・面が黒くなって破綻する:
何か所かクリックしていずれも成功しない場合はサーフェスにキンクがあるなど、想定外の境界が生成されているため破綻しているものと思われます。エディタ内でUVの修正・裁断ができますので、「選択されたサーフェスを裁断」にてサーフェスの境界を修正してから再度UV展開を行ってください。

◆マルチコンストレイン

イラレのベジエ曲線を引くようにして面の上に線を引きます。引いた線は左のUVマッピング画面上でまっすぐな水色に表示され、線に沿ってUV展開が行われます。
だいたい線に沿ったUV展開が出来ていればいいような場合や、形状が複雑すぎて「境界に沿う」では境界を取ることが出来ない場合に使用します。
個人的な感覚としては、UV展開最後の砦としてこのマルチコンストレインを使用しています。

◆境界に沿う

サーフェスをクリックすると、境界が黄色い線で表示されます。この線に沿って展開を作成します。
縞模様の生地やUV方向を厳密に指定する必要がある場合に便利な機能です。

UV展開についての説明は以上となります。

色々な3Dレンダリングソフトを触ってきましたが、P3DほどUV展開の優れたソフトは知りませんし、展開した後に編集を行えるシームの作成や補助的な機能など、P3DのUV展開についてはまだまだ説明しきれていません。

ぜひぜひ、この機会に触ってみてはいかがでしょうか。